#04

ヒミツの“家族だけの蔵”がある町へ。
 -前編-

2017.08.25

ずーっと昔、映画で「そんなにいたずらばかりしていると、蔵にひと晩放り込むぞ!」なんて、お父さんが子どもを叱るような場面を見たことがあって。それ以来なんとなく、蔵は暗くて狭くて怖い場所、っていうイメージがあったんだ。だって、ほら、ぼくも、いたずらが大好きだから……。
 
でも、お金持ちになることを「蔵が建つ」って例えるように、そもそも蔵は、怖いどころか、人生の成功や富の象徴なんだよね。今回は、そんな蔵の中でも珍しい “家族だけの蔵”があるという、秋田県の増田町を訪ねてみたよ。

増田町があるのは、秋田県南部の横手市。ぼくも大好きな、あのご当地グルメの横手やきそばで有名なところだね。
 
この小さな町に、どうして蔵付きのおウチがたくさん残っているのかな? そもそも、なぜ増田町はそんなにリッチだったんだろう? 増田町観光協会の千田孝八さんに聞いてみたよ。

「手倉街道と子安街道が合流し、成瀬川と皆瀬川の水運にも恵まれた増田は、江戸時代以前から人や物資が行き交っていたようです。明治時代になると蚕の生糸や葉たばこの集散地として、秋田県南部を代表する流通拠点となり、増田銀行(現在の北都銀行)や水力電気会社、製陶会社、味噌醤油の醸造会社なども設立されました。商人は本業以外の分野にも挑戦して、商売をひろげていったのです」。

なるほど、すごいなあ増田町。もともとお金もちの人が多かったわけではなく、商人さんたちが商売の幅をひろげて成功し、蔵付きのおウチがどんどん建てられたってことだね。
 
そして「秋田の増田ってところが熱いらしいぞ!」という噂を聞きつけた人たちが、一攫千金を狙って全国から集まってきたというから、何だかアメリカンドリームならぬジャパニーズドリームみたいな話だよね。『増田ゴールドラッシュ物語』なんて映画があったら、ぼくもざしきわらしの役とかで出演できないかな。わくわく。

増田蔵町通りは、平成25年に、文化庁から『伝統的建造物群保存地区』にも選ばれているエリアなんだ。この通りに面した家屋の多くは、美しい切妻造とよばれる、屋根が「八」の字にひろがっているように見える日本の伝統的なおウチのつくりだね。
 
増田町は冬になると2メートル以上も雪がつもるから、屋根がミシミシきしむそうだよ。そうなってしまうと、もう自分たちで雪おろしはできないので、ひと冬に何度か専門の業者に頼むことに。なんと、家のサイズによって、1回10~30万円もするんだって。それをひと冬に何回もやってもらうんだって。ひえー。
 
玄関は幅が狭く、奥までつづく細長い建物の中に、『トオリ』と呼ばれる一本の通路がスーッと延びているんだ。こういう家の子どもたちにとって、屋根のあるトオリはきっと絶好の遊び場。みんなここで鬼ごっこやかくれんぼをやったりするんだろうな~。いいな~。

そのトオリに沿って、お店、いくつかの部屋(=家族の居住空間)、水屋(=台所や風呂、便所)がずらりとつづいているんだ。天井が高くて、トオリを風が吹き抜けるから、真夏でも涼しいらしいよ。このつくり、前に行った京都の町家にも似ているよね。
 
さあ、いよいよ次回はトオリの一番奥にある“家族だけの蔵”を見せてもらうよ。

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